2019年12月02日

いよいよ大詰め


 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり。あと1ヶ月で新年なり。あー、今年もあんまりゴルフ上手くならなかったなり。コロ助か。



 女子ツアーは最終戦。申vs鈴木vs渋野の三つ巴の戦いはやはりというか流石というか鈴木が最終日にきっちり追い上げて貫禄勝ちだったものの、今年はこの3人がずば抜けていたよね。

 申ジエの平均ストローク60台(69.9399)は女子ツアー初の快挙。あの不動裕理でさえなし得なかった数字だ。調べてみたら、不動裕理が年間10勝(!)した2003年でも70.2727。

 もちろん16年前と今を単純に比較できないけれど、プロゴルファーが実は一番嬉しいのは年間平均スコアで一位になることらしいし(ゴルフの上手さの絶対的評価だもんね)、そういう意味でも申ジエ選手は「稀代の名手」ということになるだろうね。



 鈴木愛の7勝もすごい。彼女は今年怪我の影響もあり25試合しか出場していないので、勝率は28%。出場4試合に1試合以上は勝ってることになる。3〜5mを高い確率で入れてくるパッティングはもちろん練習の賜物なんだろうけど、それを実際の試合でしかも大事な場面でできるというのはやっぱり才能だよね。賞金女王おめ。

 で、上記2人に比べると、やっぱりシブコはショット力もパッティングスキルもアプローチの引き出しも経験もまだまだなんだろうね。本人もそれを分かりすぎるほどわかってるから、賞金女王に手が届かなくてもある意味仕方ない、と思ってたんじゃないかなあ。ロッカー室で悔し涙の1つも流しただろうけども。



 申ジエ31歳。鈴木愛25歳。シブコ21歳。いずれにせよこの3人が来年以降も日本女子ツアーを牽引してくれることは間違いないだろう。鈴木愛もシブコもトーナメント中に日が暮れるまで練習してるんだから、強くなるよね。

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alba.netより)

 その3人に、実力のある韓国の選手と黄金世代、プラチナ世代がどれだけ食い込んでくるか。女子ツアーはますます楽しみである。




 あ、そうそう、男子ツアーのカシオワールドは久しぶりに実力者のキョンテが逆転勝ち。キョンテも復活優勝だよね。おめ。賞金王レースは来週のJTカップに持ち越し。今平の調子が落ちてるのが気になるけど、頑張って欲しいね。
posted by hiro at 12:56| Comment(0) | トーナメント

2019年11月19日

中堅女子プロ引退ラッシュ

 歴史ある伊藤園レディスは鈴木愛の3週連続優勝(すげー!)で幕を閉じたが、この試合で鈴木よりも目立っていた選手がこちら。

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(LPGAのウェブより)

 この試合でツアー生活から引退を表明していた大江香織。

 2009年にプロ転向してツアー3勝、29歳。153cmで東北高校出身。目立つ選手ではなかったけど、3年目から8年間シードを守ってきた。

 記事によると、引退を決意したのは、最近台頭してきた若手と戦うには飛距離の差が大きくなりすぎたということのようだ。昔なら20yから30yだったのに、今は40y置いていかれることもあるらしい。大江が5Uを持ってグリーンを狙う時、相手は8アイアンか9アイアンでピンをデッドに狙っていく。そりゃあ潮時だと感じるよなあ。

 あと、10年間ずっと母親にマネジメントをしてもらっていたとのこと。シードを取れている間は良くても、シード落ちしたらなかなか難しいよね。お母さんも10歳歳を取ったわけだしね。

 でも、彼女のように「第一線で戦えなければスパッと切り替えて引退」というのはある意味潔いしカッコいいと思う。お疲れさまでした。



 さて、今季で引退を表明している女子プロはあと2人いる。1人目は一ノ瀬優希。

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(同上)

 一ノ瀬もツアー3勝で31歳、プロ12年目。2017年に怪我の影響でシード落ちし、そこからはなかなか思うような成績をあげられなかった。彼女も158cmと大きくない。大江とよく似てるね。やはり10年ぐらいで体力の部分で限界が来てしまうんだろうな。

 彼女は確か何年か前神戸で練習してて、ゴルフ仲間のI上さんが同じ練習スタジオで見たことがあるって言ってたような。「可愛かったでー」って言ってたような。とまれ、お疲れさまでした。


 もうひとりは佐伯三貴である。

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(同上)

 彼女は35歳、ツアー7勝。2012年から13年にかけては2勝づつして賞金ランキングも5位、6位にまで行ったわけだから、確実のその次代を牽引するトッププロであった。

 彼女は163cmと少し大柄で、そのせいもあり35歳まで活躍できたのかもしれない。ただ彼女も近年は怪我のせいで思ったようなゴルフができなくなり、それが引退するきっかけになったようだ。

 その、いろいろな意味での存在感から、記録にも記憶にも残るゴルファーだったからちょっと寂しくなるね。お疲れさまでした。



 しかし、プロゴルファーにとってカミナリよりも下りのスライスラインよりも怖いもの、それが怪我なんだろうね。
posted by hiro at 12:16| Comment(0) | トーナメント

2019年11月18日

金谷拓実アマチュアで優勝


 三井住友VISA太平洋マスターズで金谷拓実がアマチュア優勝。世界一上手いアマチュアは、日本一上手いゴルファーだった。

 過去に倉本昌弘・石川遼・松山英樹しかなし得なかった快挙を達成したことで、彼が今後の日本ゴルフ界を牽引してくれる存在だっていうことを完全に証明したことになる。勝ち方もスゴかった。最終イーグルって。漫画か。



 しかし太平洋御殿場っていうのはアマチュアが勝ちやすいコースなんだろうか?前回の松山もそうだったし、勝ちこそしなかったけど宮里優作もアマチュア時代に2位か3位に入ってたよね。日本一転がりのいいグリーンっていうのがその秘密なのかな。若いアマチュアは何の逡巡もなくパッティングできるけど、プロになって経験を積めば積むほどパットって難しくなるような気がするし。パットイズマネーは金谷くんには関係ないしね。

 東北福祉大は嫌がるだろうけど、早くプロ転向して世界に羽ばたいてほしい。将来のことを考えると1日でも早いほうがいいと思うんだけど。



 ただ、1つだけ嫌われるようなことを書くと、彼にはちょっと華がないんだよなあ。体も小さいし(170cm)、顔も地味だし。アマチュアの今は抜群のパッティングセンスで無双してるけど、プロ転向して1つのパットが何十万、何百万という価値を持ってきた時に、今と同じパフォーマンスを発揮できるか。それはセンスだけでは無理で、努力と練習量にかかってくると思うんだけど、その小さな体でその練習量をこなせるかどうか。

 ショットについても、世界で通用する飛距離や球筋をマスターできるだけの体力をその体で維持できるか。そのあたりが懸念材料だよね。ビリケン藤本ぐらいとは言わないでも、もっと体を作らないと銭を稼ぐのは難しいだろうし、それをしたときにスイングやパッティングのフィーリングが変わらないかどうかっていう心配もあるっちゃーある。



 とはいえ、壊れかけの男子ツアーにとっては久しぶりにいいニュースだった。女子ツアーみたいに、若くて活きが良いプロがどんどん出てきてほしいなあ。
posted by hiro at 18:07| Comment(0) | トーナメント

2019年10月30日

ZOZOチャンピオンシップ


 100通りぐらい想定しうる結果の中で、3番目ぐらいにドラマチックで記憶に残るトーナメントになったZOZOチャンピオンシップ。

 ちなみに、私が思う一番ドラマチックなのはタイガー・マキロイと同組で競い合って松山が逆転優勝。2番めはタイガーが逆転優勝するというシナリオ。陳腐だな俺。



 台風での中止があったにもかかわらず72ホールやり遂げたのはPGAツアーのプライド。それに応えたのが関係者とアコーディアのプライド。きっと、その関係者たちの努力だけでも映画になるような事が裏舞台で起きていたに違いない。試合が終わってから責任者の一人が(無事終わってホッとして)号泣してたって話も伝わってきたしね。そういう意味では、大成功だったんじゃないかと。

 放送も初日から生で(地上波とBSのリレー放送ながら)長時間してくれたし、本場のPGAツアーの雰囲気はゲップが出るぐらい堪能できた。まあ欲を言えばもっといろいろな選手を放送してほしかったというのはあるけど。タイガーが歩いてる姿を延々写すぐらいなら他の選手のプレーを見せろよ的な。

 でも、関係者の皆様に対し、いいトーナメントにしてくださってありがとうございました、と一ゴルフファンとしてお礼が言いたい気持ちだ。



 それにしてもタイガーである。タイガーは体のケアさえすればまだまだやれることを証明してくれた。スイングは全盛期の6割ぐらいしか力使ってない感じだったけど、それでも元々12気筒のエンジン積んでるんだもんね。フェアウェイに置きにいって280y飛ばせたら、もう十分なんだろうね。

 特にショートゲームが冴えてたのは、準備や練習がしっかりできていたことを物語ってると思う。そうなるともう彼には死角がなくなるわけで、最終日は久しぶりに勝ちパターンであるクルージングモードに入ったタイガーを見れたて懐かしかった。そうそう、いつもこういうふうに勝ってたんだよなー。




 そして松山。ほんとに惜しかったけど、最終的に3打足りなかった。1日につき1つアンダーが多ければ優勝してたかもしれない。例えば1日に1個バーディパットを入れてたりとか。でも、実はそうではないのだ。その理由は数字に現れている。

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 これは競技終了時のリーダーボードだけど、上位7人のうち松山を除く6人は4日間のうち1日は64つまり6アンダーを出している。6アンダーって何気なく書いてるけど、3ホールに1回以上バーディ取ってるってことだから凄いんだよ。チャンスに付いた8割ぐらいでバーディパット入れてるとか、パー5で2オンしてるとか、そういうことだからね。18ホールでミスは数回ってレベルだよね。

 上の表をさらによく見るとタイガーは唯一2回64を出してる。マキロイは3日目に63、7アンダーなんて出しちゃってるし。

 まあこれは私が恣意的に「64」と「65」の間に線引したから当然といえば当然なんだけど、つまり何が言いたいかというと、4日間のうち1日、あるいは2日は自分の持つ力の100%を出せるゴルフができないとPGAツアーでは勝てない、ということなんじゃないかなと。「チャージ」「ギアを上げる」「爆発力がある」って言われるものだね。

 そして、それ以外の日もいくら調子が悪かったり疲れてたりパットが入らなかったりしても2アンダーや3アンダーで回らなくちゃいけないということだ。1日でもパープレーなんてあれば優勝は無理、オーバーパーなんて論外。そんな世界なんだよね。


 偉そうなことを言わせてもらうと、松山は後者の「調子が悪くてもアンダーパーが出せる」という力は十分あると思う。しかし、「ビッグスコアを1試合に1回か2回出す」という力はまだ世界トップレベルに及ばないのではないかと。

 そしてそのビッグスコアの肝は、3〜5mを入れまくるパットだと思うんだよね。そう、初日2日目のタイガーのように。逆の言い方をすると、ティショットもアイアンショットもアプローチもメジャー級。


 今回パターを変えて(ニューポート2?からスクエアバック)臨んだが、それでも今一歩及ばなかった。松山くん、一緒に(もう一回)パター変えよう。オデッセイのスパイダーなんてどう?
posted by hiro at 17:33| Comment(0) | トーナメント

2019年08月05日

渋野日向子、全英女子op優勝!!


 悲願とか、悲壮感とか、死にものぐるいとか、そんな重々しさとはまったく正反対。明るく、あっけらかんとして、爽やかで、それでいてドラマチックで、理想的で、つまりは非の打ちどころがない優勝だった。

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 初日からビッグスコアで勝利への伏線を張る。2日目はそれをキープ。3日目に再びビッグスコアを出し首位に立つことで期待感を最高潮まで高める。そして最終日の前半、4パットのダボで首位を陥落、一時はトップと数打差を付けられ、誰もが諦めたそこから少しづつ這い上がり、バーディを重ね、最終ホールに5mのバーディパットを「3パットしてもいいから(本人曰く)」とカップが崩れるぐらい強く打って壁ドンで決める。

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 こんな勝ち方、漫画にもならない。つまりフィクションさえはるかに超越した、夢のような優勝。そんな優勝を、20歳の、ルーキーに毛が生えた(プロ2年目)、岡山出身の(それ岡山に失礼)、海外もメジャーも初挑戦の、ゴルフサバイバルの4ホール目で脱落した渋野日向子がなしえるなんて誰が想像しただろうか。



 今回は多くの事柄が彼女を優勝に導いていたと思う。

 初出場で欲がなかった。怖さもなかった。だからのびのびとプレーできた事。

 笑顔で現地のファンを味方にしたこと。そりゃああんな笑顔見たら、世界中のギャラリーが虜になるよね。この優勝で、少なく見積もっても彼女のファンは7200万人増えたらしい(てきとう)。

 物怖じしない性格。国際映像に向かって駄菓子をおどけながら食べるって、どこまで強心臓なの?

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 業務連絡:よっちゃん食品工業は「タラタラしてんじゃねーよスティック」と「よっちゃんイカ」を一生食べ放題にしてあげてください



 ロンドン近郊で日本人のギャラリーが多かったこと。

 リンクスではなく日本のコースにも似た林間コースで開催されたこと。

 同組のブハイ(南ア)とずっと同じ組で、ストレスが少なかったこと。優勝が決まった瞬間、彼女も両手を上げて喜んでくれた(上の写真)事は2人の関係が良かったことを物語っている。

 その彼女のティショットは渋野よりも10〜20y飛ばなかったので、毎ホール彼女の2打目を見てショットできたというアドバンテージがあったこと。

 そして終盤まで彼女と一緒に伸ばし合うことでお互いにいい流れでプレーできた事。


 あと、私が思うに、前半で4パットダボを叩き、一時首位から落ちたのも逆に良かったと思った。ずっと首位に立ち、追いかけられる展開だったらどうなっていたかわからないと思う。そのしんどさに自滅していたんじゃないかなと。だから、一度4位(ぐらい?)まで落ち、そこからじわじわと追い上げていくという展開が今回の彼女の立場(ルーキーの挑戦者)とぴったり合致したんだろうね。

 それと、18番で決まったこと。もしあそこが2パットでプレーオフだったら、当然一旦ホールアウトして仕切り直してからになる。10分、20分、時間があく。そうなるとルーキーであるがゆえ、疲れを感じたり欲が出たり、張り詰めた神経が緩むなど、ほぼ間違いなく悪い方向へ流れがいってしまったと思うのだ。

 だから彼女が「3パットになってもいいからとにかく強めに入れにいこう」と思って打ったのは大正解だったと思う。入ったのはこれまでの努力の成果だろうし、でもある程度自信があったんだろうね。

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 後からなら何とでも言えるけど、何となく何か起こるような気がしたので夜ふかしして中継見てたんだよね。あと、18番のパットも、乗った段階で、いや2打目を打つ前から入るだろうな、バーディで優勝するだろうな、という予感がしてた。みんなもそうじゃない?(戸張さんも樋口久子プロもCM中にそんな話してたみたいだし)

 だから、入った瞬間、「やった!」でも「スゴい!」でもなく「ほら!」って叫んだもん(笑)



 ほんとに素晴らしい。超最高。おめでとう。でも、サラス(18番でバーディパット外した)は悔しいだろうなあ・・・・
posted by hiro at 18:50| Comment(0) | トーナメント