2018年08月13日

ゴルフよ、お前もか


 先日、ゴルフネットワークで放送されていた、トヨタジュニアワールドカップのシーン。ジュニアつまり高校生の世界対抗戦で、男子と女子の両方が出場する。まあジュニアと言っても女子はアマチュアランク1位2位3位なので実質アマチュアトップなんだけどね。男子はそうではないけど。

 その番組で、私がちょっと疑問に思ったシーンをいくつか。その1。試合前日のミーティングにて、監督の橋田氏が子どもたち(高校生はまだ子どもである)に対して檄を飛ばす。

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 もちろん勝つことは大事だけど、何も前日にこういう言い方でプレッシャー掛けなくてもいいのでは?相手は高校生だよ。「君たちにはどの国誰にも負けない実力がある。普段どおり、等身大のプレーをすれば十分だから、リラックスして試合に臨もう。試合を楽しもう」ぐらいのことを言ってあげたほうがのびのびプレーできると思うんだけどなあ。

 っていうか、そもそも、高校スポーツの本質は教育ではないの?だから6月という、まだ学校の授業がある時期に開催してるんじゃないの?学校休ませてまで指導することが「勝つこと」だけというのは寂しいし底が浅くないかい。

 いやもちろん私が言ってること(勝利ではなく、いかにプレーするかが大事)は理想論だし部外者の無責任なヤジだしただの文句いいってことはわかってる。でもあえて言わせていただく。

監督がもし杉原輝雄氏だったら、氏はここで何を言うだろう?
もし中部銀次郎氏だったら、何を言うだろう?
もし丸山茂樹だったら?
もし夏坂健氏だったら?
白洲次郎だったら?
ハービー・ペニックだったら?


人によって言うことはそれぞれかもしれないけど、「何がなんでも勝て!」なんてことは言わないと思うんだよね誰も。

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 この言葉もどうかと。だって、教育者が「生徒の比較」をしてるってことだよね。しかも生徒を「ゴルフが上手いか上手くないか」でしか見てないってことだよね。監督のこの言葉を、去年までの代表が見てたらどう思うだろう。聞いてる生徒にしても、ただ単にプレッシャーが増えるだけの効果しかない気がするんだけど。

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 で、こういう教育の場において、いくら合宿中(?)の夕食時であったとしても、高校生がいる横の部屋で大人がビール飲んでるって構図。絶対ダメだろとは言わないけど、保護者としてどうよ、って。思春期の女の子たちを預けてる親の立場で考えてみれば、無責任と言われても反論できないと思うんだけどなあ。

 公立の小学校や中学校ですら、修学旅行などで酒盛りするときには生徒の目が届かないところでするぐらい気を遣うというのに。

 こういう場所で、つまり指導している子どもたちの前で酒を呑むこと自体、私は格好のいい行為ではないと思う。でもこの人達はたぶん「そんなストイックな」「たかがビールだし」「別に練習中に飲んでるわけじゃないし」と思ってるんだろうし、逆に「大事な合宿や会合中でも子どもたちの前で気にせず酒飲んで本音で話できちゃう無頼な俺たちってカッコいい」って思ってるのかもしれない。体育会系だし。



 そう、これらの一瞬しか映らない画から私が想像したことは、大人たちの教育者としての自覚と責任の欠落。

 いやいやそれは大げさでしょ。勝負なんだから勝つことを求めたり、夕食時にビール飲んだだけでそこまで言うのは大げさだし、そんなふうに考えるお前のほうがむしろ歪んでるんじゃないの?」と反論はあると思う。でもこれはどうでしょう?

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 女子チームのエースが左手親指を疲労骨折していた。ゴルフをしている人ならわかると思うけど、左手親指が折れてたらスイングどころかグリップすらままならない。打つたびに激痛が走るし、完全にドクターストップだよね。でも、本人は出場した。周りの大人は止めなかった。そして番組はそれをあたかも美談であるかのごとく放送した。

 勝利のためなら、骨折してる子供に我慢させて試合に出すのが教育なのか?本人がいくら出れる、出たいと言っても棄権させるのが大人の役目では?試合よりも体や人生が大事、それを教えるために監督やコーチという大人がいるんじゃないの?

 それより何より、この怪我をおして出場したことで彼女の選手生命が短くなったり危ぶまれたりしたら、監督やコーチはどうやって責任を取るつもりなんだろう。



 ゴルフ界も前時代的で教育者ではない人間がトップに居る。相撲やレスリングやボクシングなどとまったく同じだな、と思った。
posted by hiro at 13:09| Comment(0) | 雑文
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