2014年03月03日

△スタンス理論

 一昨日書いた、なんとか理論で思いだした話。もし信じてる人がいたらホントにごめんなさい。これは私独自の見解です。えっと、今日は超の付く毒舌です。そういうのが嫌いな人はどうか読まないでね。


 いよいよTVのゴールデンでも紹介されてしまった、△スタンス理論ってやつ。人間の重心の掛け方が外とか内とか前とか後ろとかで4つに分類するらしい。アホらし。


 アホらしその1。生き物の体はそんなに簡単に分類できません。しかもたった4つって。血液型占いかっつ〜の。おおかた分かりやすいから4分類にしたんだろうけどね。

 で、中間の存在の人はいないの?いるよね。じゃあ6:4の人も7:3の人もいるよね。そう考えたら4つに分類するという考えそのものが破綻してる事になるじゃん。

 え、殆どの人は4つのうちどれかが強く出る?生き物の体はそんなに簡単に分類できません。しかもたった4つって。以下永遠に続く。



 アホらしその2。この理論、何十年も大学院やきちんとした研究機関で体育学を学んだり解剖学を学んだり運動生理学を学びまくった博士が考えたの?え、高卒の整体師が考えたの?ふーん。

 学者が全て正しいとは言わない。大学や研究機関が全て素晴らしいとは言わない。また、高卒だからと頭からディスるつもりもない。しかし芸術やスポーツの世界ならともかく、学問の世界で「基礎的な勉強をしていない」という事は致命的。基礎を学んでないのに新しいことを生み出すなんてまず無理。っていうか非常識。

 基礎なくして新理論を構築するというのは、地質学や地層学の理論をまったく知らない人間が山の形を見て「ここには金が埋まっている!」と叫ぶのと同じ。つまりペテン師ってこと。



 アホらしその3。この振興宗教の教祖、いやちがったこの理論の提唱者は「自分のタイプと異なるタイプの動きを長年の努力で会得している場合もあります」と言っている。それはつまりこの「4つのタイプ」は先天的、生得的なものということだよね。

 で、こうやって前屈しやすければあなたはAタイプです、こうして肩が後ろへ動きやすければあなたはBタイプです、など体の動きで4つに分類するのだが、こんなの日によってあるいは体の疲労度によって変わってくると思われるんだけど。

 またその人の鍛え方、育ち方、職業で使う体の部位、立ち仕事か座り仕事かなどでいくらでも変化するよね。同じ人でも違う職業についたら変わるとか。上に書いたように「別の動きを会得してる」とか。それでも、その出来上がった体に逆らってまで「本来自分の持っているタイプ」に固執しなきゃいけないの?なんか自然じゃないよね。

 あと、私やってみたんだけど、あるチェックではA2、別のチェックではB2、また別のチェックではA1とかになって自分のタイプが決まらないんですがそういう人はどうしたら良いですか〜教祖様〜。



 アホらしその4。こういう似非科学は、えてしてやたら権威付けをするんだよね。なぜ?もちろん中身が無いことをごまかし、善良で無知なカモを騙すため。

 説明に松井秀喜やイチローなんかを使うのもそう。まるでイチローや松井がこの理論を実践してるような錯覚を感じない?全然関係ないのに。NHKに出た、◯◯の番組に出たってのもそう。ゴルフで理論派とされる横田真一氏と絡んでいるのもそう。

 その象徴として、氏のウェブからプロフィールを転載してみよう。もう突っ込みどころが満載で、私のウェブを読むより百万倍面白いんだよね。ちなみに赤字は私のツッコミ。


◯戸 ◯一(◯◯と ◯◯いち)

 1961年、東京都生まれ

・・・出身校が載ってないという事は大学等で専門的には勉強してませんってことね

 スポーツ整体「廣戸道場」主宰

・・・・「道場」さらに「主宰」ってのがいかにも権威的。えー、「整体道」なんてあったっけ?

 日常生活の動作からスポーツ競技、文化芸能における身体動作、コンディショニング、介護、リハビリテーション、栄養摂取まで総合的に指導するアドバイザー。

・・・ようけば並べましたなあ。是非、現代の武術家、甲野善紀氏と対談していただきたいものである。で、最後にはカタカナ語で「アドバイザー」っすか。超ざっくり。

 整体施療家として一般クライアントからプロアスリートまで30万人を超すケア実績。

・・・「生体施療家」、思わずググりましたが該当語なし。つまり訳の分からない造語を作って煙に巻く常套手段。さらにカタカナ語多用。

あと、30万人って。30万人って数字は、「30年間1日も休まず1日27人以上もケアしてきた」ってことなんだけど?ひょっとして1人2分位でケアできるの?それなら逆にすげーけど。


 ヒトの身体特性を4種類に分類する『4スタンス理論』を含む、動作における軸、個体別身体特性などを解明した総合身体理論『レッシュ理論 (REASH Theory)』を提唱。

・・・提唱するのは誰でもできる。それが正しいか、広がっていくか、役立つかが大事。

 プロフェッショナル競技団体への総括的フィジカル・アドバイザリー契約および個のアスリートへのパーソナルトレーニング契約を展開中。

・・・カタカナ語の大安売り!

 水の特性を活かし身体動作のパフォーマンスを向上させる水中身体トレーニング『ハイドロ・トーン』の指導。

・・・はあ指導されてるんですかそうですか。こういう書き方をすると、まったく別の人が考えだした「ハイドロトーン」をあたかも自分が考え出して自分だけが指導できる、みたいに曲解されるおそれがあるよね。まあその曲解を狙ってるんだろうけど。

一般社団法人『レッシュ・プロジェクト』代表理事。

・・・あの、レッシュなんとかってあなたが考えた理論ですよね。その代表理事に本人がなってるのは当然だと思うんだけど。っていうか、一般社団法人なんて公益性がなくてもいいし、だれでも作れるんだよね実は。つまりこれも虚仮威しの一種、と言って悪ければ単なる商売の道具。なのにこういう書き方をすると「なんだかすごーい、社会に認められてるんだ!」ッて思うんだよね。

平成22年度よりJOC(日本オリンピック委員会)強化スタッフ。

・・・JOCの強化スタッフって日本で3600人近くいるんだよね。スタッフでもピンキリ(オリンピック強化スタッフか否か、オリンピック競技のスタッフかそれ以外の競技のスタッフか)だし、ある程度スポーツ選手と絡んでる人なら特別すごい事とは思わないんだけどね。

日本ゴルフツアー機構(JGTO)のアドバイザーとして強化合宿などで指導中。

・・・アドバイザーという、訳の分からない立場。しかもJGTO(笑)さらに強化合宿「など?!」(爆)

2013年、日本プロ野球千葉ロッテマリーンズとアドバイザリー契約。

・・・野球関係者にはゴルフ関係者と同じぐらい本質がわからない人が多いってことですな。

身体コンディショニングに関する著書多数。

・・・それは素晴らしい。4スタンス理論はさぞ売れたでしょうね。

『ゴルフダイジェスト』誌レッスン・オブ・ザ・イヤー2011賞を受賞。

・・・ゴルフ雑誌なんて流行り廃りを捏造してるようなもんで。



 あと、活動実績とか見たらこの10倍ぐらい突っ込めそうなんだけど、さすがにもうやめる。つまり何が言いたいかというと、「64歳の100叩きダッファーがたった30分のレッスンで300ヤード飛ばした?!」というのと同じベクトルにあるんだと。


 アホらしその5。百歩譲って、この理論が画期的で正しくて体の使い方やスポーツに革命を及ぼすものだとしたら、それこそ運動生理学や体育学の研究機関や大学が黙ってないでしょう。◯戸氏はどこかの大学に教授として招聘され、論文をいくつも書き、いずれはノーベル医学賞を受賞するに違いない。

 人間の動きを4つに分類する事ができる発見ってのは、そういうことだと思う。即ちそうならないってことは、氏がペテン師である証拠なんだよね残念ながら。

 万が一m氏が今後権威ある雑誌に論文を出したり賞をもらったりしたら(まあ絶対ならないだろうけど)土下座して謝らせて頂こう。5年後には「ああそんな話題もあったよね」となると思うけどね。



 最後に、なぜこんな辛辣なことを書くか。私はこの手の「無知な人を騙して金儲けする中途半端な専門家」が大嫌いなのだ。社会的弱者を食いものにして金儲けをする、これは合法か非合法かだけの違いで、「オレオレ詐欺」と構造的には同じじゃないかと。

 嘘つき、滅ぶべし。

posted by hiro at 20:58| Comment(0) | 毒舌